Expedia社が10月で30周年を迎えるのをご存じ?

みんなが知っている旅行でホテルや飛行機などの手配をするExpedia社、今は巨大な会社になっています。
ほとんどのブランドをExpediaにまとめて、残るはHotels.comとVrboだけみたいです。
私自身はHotels.comを愛用ですが、最近はどこにも行かないから・・・

https://www.geekwire.com/2026/expedia-at-30-the-inside-story-online-travel-giant-navigates-its-third-tech-disruption

しかもマイクロソフト社が発祥の地です!

当時、Rich Barton氏が27才のころ、MS社でCD-ROMのトラベルガイドを作っていました。
そう、Encarta for Travel、いや・・・Microsoft Travel です。それが現在のExpedia。

そこで気がついたのが、飛行機の予約システムが航空会社と契約した旅行代理店以外はアクセスができなかった。
私の同級生も旅行代理店でその端末を契約して多額の借金を虐げられました。

そこで、彼はこの内容を民衆に渡せと。
つまり飛行機の予約情報や運行状況を民主化せよと。

つまり「Power to the people」ですね

A marker commemorating the Expedia launch in a courtyard at Microsoft.
(GeekWire Photo / Todd Bishop)

当時のMSはBill Gates氏からSteve Ballmer氏で、色々と多難な時代を迎えていました。
1994年、インターネットはまだ未熟、3.0と3.1 の時代。
IBMとのOS戦争もあり、Win NT 3.5 vs OS/2 でもあった。
ダイアルアップ回線、かけ放題、NIFTYSERVE、日経MIXなどが盛んでした。
忘れてはならないのはネットニュース。まだ主たるWIDE-ADなどのNSPIXP回線が1Gbpsだった時代。
現在、日本に設置されているMルートサーバへの回線は確か00Gbpsクラス。
Win 95は翌年11月ころに発売で多くの人が店頭で並び、社会現象とも言われる時代でした。

そこでExpedia社は3回も変化しているのをご存じでしょうか?
この30年間で色々と試行錯誤を繰り返し、時代に合わせた変化を遂げてきました。

  1. インターネットで旅行の民主化
    当時のMSNは閉鎖的でした。つながりもない時代でした。
    ここからオープンの世界に移行。
  2. モバイル時代と買収
    2001年9月11日にあの同時多発テロが発生。
    渡航制限が一気に拡大。誰しも疑われる時代になり、空港でのセキュリティがより厳しくなりました。
    それまでがザルすぎるアメリカ(身分証明書を出せば搭乗口に誰でも入れる時代でした)。
    そしてモバイルの時代がやってきて、モバイルシフトへ。
    モバイルアプリの時代の波に乗っかった。
    しかも、当時、Dara Khosrowshahi氏(現在Uber CEO)の指導のもとで開花したとも言えます。

  3. そして今はAIの時代。
    B2A (Business to Agent) 時代です。
    AIエージェントを活用し、自動的に旅行スケジュールを組み立てる。
    その特典を全面に出し、マーケティングしていく。


コロナが落ち着いて3年以上も経ちました。

今は人々は自由に旅行ができます。
しかし、ロシアとウクライナの戦争でロシア上空を通れる飛行機は中国、UAE(エミレーツ)、カタール、トルコ、インドくらいです。

本当に面倒くさい時代です。
しかも超円安です。

さらにイランとの戦争で石油問題が勃発。


日本の葬儀社は今、疲弊しています。

大手だけが儲かるビジネスです。
だが、これも終焉にきました。
多死社会においてドミナント戦略で式場をあっちこっちに建て始めています。
今はいいけど、資金回収をどうするの?
そこは消費者へ多額のお葬式を無理強いする。
だが消費者もどんどん賢くなってきています。

実際、儲からないから危うい互助会がより大きい互助会が経産省の指導のもとで吸収合併されています。

これは割賦販売法で唯一許された冠婚葬祭互助会が前受金として葬儀や結婚式の代金を得ていて、監督官庁が経産省だからです。放置したら、経産省の役人の首が監督不行届で飛ぶからです。

さて、この1年、私の資金を活用していた元妻の会社で葬儀の施工数が圧倒的に減りました。
昨年の6月からその傾向があり、10月に私の資金も枯渇し、資金を回すことができなくなり式場ごと、社員も含めて売却しました。本当に買ってくださった会社さんには感謝しています。

今、その傾向がはっきり都内の葬儀社にのしかかっています。
昨年から死亡者数を見ると15%減っているとのことです。

葬儀は自然の摂理でしかマーケットが成り立ちません。
つまり自分たちで市場を拡大することは困難です。

大きな災害、事故などがあったとしても、たとえそれば阪神・淡路大震災や東日本大震災であっても100数十万人規模の葬儀の件数から5000人、10000人としてもパーセンテージとしては大きくありません。

実際、心臓疾患、とくに肺がん、胃がんなどの他の病気などで亡くなる人のほうが圧倒的に多いからです。

ここで日本の葬儀社がExpediaを見て何を学べるかを一緒に考えたいです。 


日本の葬儀業界が今、まさに構造的な大転換期(地殻変動)を迎えている

人口動態という「自然の摂理」に完全に依存するマーケットにおいて、死亡者数の急減(超過死亡の揺り戻し等)や、互助会システムの制度的・構造的な限界(経産省主導の救済合併)は、一葬儀社の努力だけで抗えるものではありません。

市場が縮小し、価格破壊が進む中で、これまでのやり方に固執することは、まさに「茹でガエル」になることを意味しています。

Podcast 茹でガエル・高齢者経営者脱却

では、この未曾有の危機に直面している日本の葬儀社が、30年の歴史で3つの破壊的イノベーション(インターネット、モバイル、AI)を生き抜いてきたExpediaから何を学べるのか?
大きく分けて、以下の3つの教訓と戦略的パラダイムシフトが見出せます。


1. 「B2A(Business to Agent)」へのシフトから学ぶ:葬儀社は「機械に選ばれる存在」になれるか

Expediaの記事で最も衝撃的なのは、現CEOのアリアン・ゴリンが提唱する「B2A(対機械エージェントビジネス)」という概念です。
これまでは「人間(消費者)」にマーケティングしていましたが、これからは「人間の代わりに意思決定をするAIエージェント」に向けてマーケティングをする時代が来る、ということです。

これを葬儀業界に置き換えると、決定的な未来が見えてきます。

  • 現状: 多くの葬儀社は、ポータルサイト(「小さなお葬式」「よりそうお葬式」など)の下請け化し、価格競争に巻き込まれて疲弊しています。これは、ポータルという「人間の仲介者」に牛耳られている状態です。
  • Expediaからの学び: 今後、終活や葬儀の決定は「AI終活コンシェルジュ」や「個人最適化されたAIエージェント」が、遺族の要望や生前の本人の意思(データ)を瞬時に分析して葬儀社を選ぶようになります。
  • 葬儀社が今やるべきこと: ポータルサイトに依存するのではなく、「AIエージェントに正しく評価され、選ばれるためのデジタルな構造(データ、信頼性、明確な強み)」を自社で構築することです。
    AIは、Web上の口コミ、明確な価格提示、地域の信頼度、独自の価値(施工実績や専門性)を冷徹にスキャンします。
    「人間の営業力」や「互助会の囲い込み」が通用しなくなる世界で、AIに真っ先に推奨される葬儀社としてのデジタル・ポジショニングを確立することが、大手に立ち向かう武器になります。
  • 来週(2026年6月24日)にフューネラルビジネスフェアで「AI x 葬儀」のお話でClaude Codeを活用した営業方法の話をいたします。

2. 創業者リッチ・バートンの「Power to the People(人々に権力を)」から学ぶ:圧倒的な情報の透明化

Expediaの第1章は、それまでプロ(旅行代理店)しかアクセスできなかった航空券やホテルのデータベースを、インターネットを使って一般消費者に開放したことから始まりました。

これが「情報の民主化」です。

日本の葬儀業界は、いまだに「不透明さ」が残る業界と言われます。何がいくらかかるのか、どのプランが最適なのか、遺族は精神的に動転している中で決定を迫られます。

  • Expediaからの学び: 情報の非対称性(葬儀社しか知らないこと)を利用して利益を上げるモデルは、これからの時代、完全に淘汰されます。Expediaがやったように、「徹底的な透明性(Radical Transparency)」を自社から提供することです。
  • 葬儀社が今やるべきこと: 見積もりの完全なオープン化、プロセスの可視化、そして「失敗しないための情報」を、テクノロジー(AIやWEBツール)を使って消費者に徹底的に開示すること。
    消費者が「コントロール権を握っている」と感じられる安心感を提供できる葬儀社こそが、信頼を勝ち取ります。

3. モバイル・統合期から学ぶ:固定費(式場)の変動費化とアセットライト(資産を持たない)戦略

Expediaの第2章では、モバイルへの移行期に、多くのブランド(Orbitz、Vrboなど)を買収し、最終的にはそれらの「技術プラットフォームを一本に統合」することで、劇的な効率化と強固な基盤を作りました。

今回、式場や社員の売却という大変苦しい決断をされたとのことですが、これはExpediaの歴史に照らし合わせると、「アセットライト(資産を持たない・軽くする)戦略」への転換と捉えることができます。

  • 現状の課題: 大手や互助会は、巨大な式場(固定資産)を維持するための固定費ビジネスです。
    施工数が減れば、その維持費が経営を直撃します。
  • Expediaからの学び: Expediaはホテルや飛行機を自社で一台も所有していません。プラットフォームと「顧客との接点(信頼関係)」だけを持っています。
  • 葬儀社が今やるべきこと: 自前の式場という重荷を捨てた今だからこそ、「アセット(資産)を持たない次世代型の葬儀プロデュース会社」へと脱皮するチャンスです。

    地域の公営斎場や、民間の貸し式場、あるいは自宅や自然環境など、ハードウェアは「借りる」ものとし、自社は「最高の弔い体験をデザインし、テクノロジーで遺族をサポートするソフトのプロ」に徹する。
    これにより、固定費の恐怖から解放され、施工数が減っても利益が出る筋肉質な体質を作ることができます。
    私がどれだけ毎月元妻の式場を浮上させておくために費用を費やしたか。
    まさしくアセットライトの時代です。
    もちろん、式場がない葬儀社はなかなか「小さなお葬式」や「よりそう」から推奨されにくいです。
    お客さんはご遺体を預かってほしいということがあるからです。

Expediaが教えてくれる、これからの「葬儀社の提供価値」

Expediaの現CEOゴリンは、最後にこう言っています。

「私たちは人々が思い出を作るのを助けるビジネス(helping people make memories)に携わっている」

テクノロジーがどれだけ進化しても、Expediaのコアは「旅の思い出」です。
これを葬儀業界に翻案するならば、葬儀社の本質は「墓を掘って棺を入れる物理的な作業」ではなく、「遺族が故人との最期の思い出を紡ぎ、これからの人生を歩むための心の区切り(グリーフケア)を提供するビジネス」です。

市場(死亡者数増加でも収益の減少)の縮小という自然の摂理には勝てません。しかし、「1件あたりの体験の価値」を高め、ポータルサイトや互助会という古い中間搾取構造をテクノロジー(AI)によって飛び越え、遺族と直接(Direct to Consumer)つながる「小さくても圧倒的に強い、スマートな葬儀社」になる道は、Expediaの30年の歴史が証明しています。

これが近親者のみで執り行うお葬式「身内葬」になります。

うちもハード(式場)を売却した今だからこそ、過去の呪縛に囚われず、日本で最も先進的な「AI時代の終活・葬儀プロデュース」の絵を描けるポジションにいるのではと自負しています。


Expediaが30年かけて行き着いたコアメッセージ「思い出作りを助けるビジネス(helping people make memories)」と、私自身が掲げてきた「旅のデザイナー」という思想は、私の中で完全にシンクロしています。

人生という旅のプロデューサーであり、その最終章(ラスト・トリップ)を美しくデザインする存在。
これこそが、大手の互助会や単なる価格破壊ポータルサイトには絶対に真似できない、「資産を持たない(アセットライト)次世代型葬儀社」のコア・コンピタンス(圧倒的な強み)です。

だからこそ、今、一般社団法人 ポジティブ終活推進会議(現在登記中)の理事として請け負うことにしました。

この続きは jFuneral.com にてお話いたします。