朝日新聞 2010/12/01 夕刊に一面トップに大きく「ぽっくり逝きたい」と言う題名で出ている。人々は苦しまずに、更に子供や孫に迷惑を掛けずにと思っているとのことで「祈願ツアー」が人気を呼んでいる。
今の日本人、誰しもそうかも知れない。しかしここには現実と大きな差があることを理解して欲しい。ポックリ逝くと言うのは最後まで元気でいて、夜中に苦しまずにウ〜!とうめき声を上げて死ぬ突然死を意味するのだろう。これは困ったことだ。
何故なら、元気でいればきっと病院には掛かっていない。っと言うことは死亡診断書を書く医者がいないって事だ。
- 突然死=死亡診断書を書く医者がいない
- これは司法解剖になる(検案または解剖)
- 警察が入る
- 家族全員事情聴取される
- 殺人を疑われる
- 全員容疑者になる
- 解剖の結果、容疑が晴れたら良いがそうでなければ引きずる
そう!これは困ったことだ。東京都以外は殆どこの作業をするのが葬儀屋さんです。
- すなわち葬儀社の職員が数名来て、
- 警察の現場検証が終わり次第、遺体をストレッチャーに乗せて、
- 自宅から監察医へ運んで、
- 解剖医の指示の下で司法解剖の台(解剖台)の上に移して、
- 着ている服を全て脱がせて、
- 解剖が終わるまで待つかあるいは解剖の手伝いまでし、
- 解剖で汚れてしまった遺体をきれいに拭いて
- 帷子に着せ替えさせて
- 納棺する
- そしてこれをまた指定の場所へ運ぶ
そう、東京都以外は全部この作業は葬儀屋さんが行うのでこれがコストに乗る!
- 遺体の搬送代:現場→警察署→解剖室→指定の安置所
- プラスαの出動代(人件費)
- 作業代(場合によっては【飛び込み自殺等】葬儀社の職員は遺体を拾う作業までします)
- 解剖することによって肝炎などの雑菌が出る(危険!)
- つまり危険手当を会社は出さねばならない
- 夜間・早朝に出動すればまたプラスαの金額が乗せられる
このようなことがいっぱいあります。
あなた、本当に「ポックリ」で良いのか?
「ポックリ」逝くにも支度があることを忘れないで欲しいです。
Twitterで読者からご指摘ありましたのでちょっと補足します。
ここで言う「ぽっくり」は掛かり付け医がいない人を意味します。
いらっしゃる場合は警察が裏を取りまして、持病があった場合は互いで連絡を取ります。