2018/06/28と29にパシフィコ横浜にて葬祭業者向けの展示会が行われて1ヶ月経ちました。
その中でやっと落ち着きを見せるなか、次のエンディング産業展の準備をしている企業が多いかと思います。
実を言うと私も日本葬送文化学会にて主催者のTSO Internationalさんのご好意で出展して三日間アテンドする予定です。
さて、去るフューネラルビジネスフェアですが、公式来場者数が以下の通りです:
【フューネラルビジネスフェア2018」開催結果報告】
◆出展社数 | 133社/212小間 |
◆来場者数 | 11,767名[ 6月28日(木):6,852名/29日(金):4,915名] |
以外と二日目のほうが少なかったのは驚きました。
ここで、葬送ビジネスとは何かを改めて考える必要があるかと。
なぜなら、今ではクラウドを使う時代でもあり、ネットで注文、更にネットで見積もり。
私の別のサイトでも書きましたが、Society 5.0によるAIと葬儀の時代になり、変化が目まぐるしくなってきたのも。。
更にHTTPからHTTPSに変わり、Secureな環境がデフォルトになってきました。
私のサイトも順次HTTPSにしているところです。
大切なのは、人が弔うことだろうと。
そこにはツールが必要。
そして葬送儀礼には必ず人が介入することだろうと。
まだロボットが対応するには早すぎる時代ではあるが、コールセンターやサポートはすでにボット化している時代でもあります。
チャットボットはすぐに見破れますが、Google Duplexによる電話対応は難しいかと。
余談にはなりますが、私のところではGoogle HomeとAmazon Echoが3台ずつあります。
Google Homeの音声ややり取りはかなり進んでいて、返事する声もEchoより人間的であるので意外と気に入ってます。
さて、フューネラルビジネスフェア2018ですが、正直なところ目新しいものは全くありませんでした。
葬祭業が永続するには人としての関わりが今のところ大切だと感じています。
マズローの五段階の欲求をご存知だろうか?
欲求はNEEDSでありWANTSではないことです。
自己実現欲求 | 自分の能力発揮 |
尊厳欲求 | 承認欲求、認められたい |
社会的欲求 | 孤独との戦い、コミュニティに所属する |
安全欲求 | 今夜、寝るところを確保する |
生理的欲求 | トイレに行く、お腹が空いたなど |
さて、このフューネラルビジネスフェアにてどうこれが生まれ変わろうとしているのか考えてみたい。
人々は、人が亡くなると悲しむ。
悲しんでいる間に我に返り、葬儀の打ち合わせや日取りをせねばならない。
さらに故人をどう扱うか、どこに連れて行くか(安置先を探す必要がある)。
葬儀にはこのマズローの五段階の欲求がすべて揃っており、短期間に決めねばならないので突然のできごとで遺族は疲弊するだけである。
更に気づいたのは、葬祭業に関わる人たちの年齢が高齢化している。
もちろん若い人たちも参入しているが、経営者が年々高齢化しているようにも感じた。
業者も増えているなか、年間取扱数は確実に増えている(死亡者数が増えている)が、葬儀社として自社で取り扱っている数は「増加」「横ばい」「減少」と1/3ずつとある弁護士事務所が依頼した調査会社報告が出されている。
これは主観的であるので、どうにもならないが、半数の50%が揃って「年間売上高が減少している」と口を揃えていた。
実際、葬儀費用の平均が、平成15年のとき236.6万円と騒がれて、多くの異業種が参入した。実際、葬儀の平均費用と言うのはお坊さんのお布施、斎場使用量、飲食なども含まれており、一般的な葬儀社の取り分でない金額も含まれているが、取り敢えずこの数字をベースに考えてみたい。
そして平成29年にはその平均が195.7万円まで落ちている。
つまり14年間で平均単価約41万円が落ちたことになる。
経済が落ち込んでいると言うだけではなく、葬儀費用まで手が回らないと言うのと人々が賢くなったとも言える。
今年の数字をもう一度見直してみます。
ちなみに【次回(第23回)開催】
◆会期:2018年6月17日(月)・18(火・友引) ←これは2019年の間違えです
さて、去年よりも若干ですが来場者数は増えています。
しかし、TSO Internationalが開催しているエンディング産業展の来場者数はこの倍です。
対象者が業者だけではなく、一般もあるので仕方ないでしょうけど、年々こちらのほうが増えていることは確かなのと、フューネラルビジネスフェアで出展していた人たちの多くがエンディング産業展のみへシフトしていることも伺えます。
しかし、来年はどうなることか・・・オリンピックで東京ビッグサイトが終わり、一段落するまで使えないので。そして、この経済損失が日本の産業へ2.2兆円のダメージだと展示会主催団体の日展協から出ている数字です。
Click to access 170914_petition_ja.pdf
この状態で葬儀ビジネスがどうなるか、そして日本の産業はどうなるかを考える必要がある。これらも一緒に考えて日本の葬送ビジネスも苦しくなるかと。
新しいアイデアで言えば、棺を祭壇そのものにして出棺葬をしてしまおう。
つまり、人が少ない分、祭壇にはおカネを掛けずによりしめやかに、しかし華やかに葬儀を終わらせてしまうケースが増えてくるのかも。
これが一つの例でもあると感じたので紹介します。
葬儀社はこの時代を覚悟する必要があると、今回のフューネラルビジネスフェア2018を見て感じたところでした。