遺骨の鉛筆

ちょっと古い記事を発見しましたが紹介いたします。
海外でもやはり遺骨の処分をどうするか(あまり悩まないはずだが)。

日本は遺骨を残すように火葬します。
実は、骨を残すように火葬する技術は物凄くレベルが高いのです。
900度で燃える炎と熱風を操るのと、棺と棺の中に入れた送別品をどかしながら(遺骨の上に崩れないように)焼くのは熟練の技が必要です。

さて、残った遺骨は「お骨上げ」のときに二人で1本ずつ持ちながら骨瓶に入れて行きます。
一度、骨瓶に入れてしまえばあとは納骨を待つだけです。

最近、墓地をどうするかが課題です。
都内での墓地は1000万円を超えるところもあります。
このおカネを払えるならいいですが、そんな人ばかりではありません。
この前、都内の某寺院に行って真言宗の住職のお話を伺ってきました。
もう墓地の時代ではなくったと。都内では5年もしたら状況が変わるとのことです。

さて、今回、この遺骨をどうするかと。
はい、鉛筆にします!
手元供養品で色々とありますが、さすがに鉛筆にすると言うのは聞いたことがありません。

ここによりますと、一生分の鉛筆が作れるとのことです
一人のご遺体から240本は出来るそうです。
どういう配合にするのかはわかりなせんが。

http://boingboing.net/2009/12/21/design-for-pencil-se.html

プラスチック廃材から鉛筆を作っているところは知っています。
チャリティで買って、みなさんにお土産で渡していることもありましたので。

240 pencils can be made from an average body of ash – a lifetime supply of pencils for those left behind.

Each pencil is foil stamped with the name of the person. Only one pencil can be removed at a time, it is then sharpened back into the box causing the sharpenings to occupy the space of the used pencils. Over time the pencil box fills with sharpenings – a new ash, transforming it into an urn. The window acts as a timeline, showing you the amount of pencils left as time goes by.

 

鉛筆はそれぞれ名入れしているとのことです。
うぅ〜ん、それにしてもこの場合、頂いた人はどうするのか。
いや、配らなくてもいいが、使いたいと思うか。
使っていく度に徐々に減っていき、その故人の思いも消えていくことなのだろうか。
そして骨瓶が鉛筆削りになって、その削り節?がまた故人の思い出になるのか。

複雑な気分です。

ちなみにこの発案者、ロンドンのデザイナーのNadine Jarvisさんのサイトはすでに更新期限切れしており存在しませんが、検索しますと、過去に遺骨で他のモノも作っています。

海外の骨瓶

葬儀と縁が切れないが柩と骨瓶です
日本は99%以上が火葬します。
火葬しないのは、火葬設備がないところだけです(主に離島)。
火葬については「火葬研」があるので話しは割合いたします。

さて、毎年(過去20年)行われてきた綜合ユニコム主催のフューネラルビジネスフェアにて昨今は手元供養品が盛んになってきました。
手元供養の場合、まさしく遺骨の一部を手元に置いておくことです。
これがペンダント、プラック(板)、小さな骨瓶であったりします。
骨瓶を扱っている業者さんはかなりあります。
多くが瀬戸にあるのは、瀬戸物を扱う産地でもあるから。
あと、有田とかも。
しかし、これらはマスプロ化の時代です。
瀬戸物や中国磁器(ボンチャイナ)だって粘土を焼いて作ります。
多くの手元供養品も同様。

自分仕様って作れないか?
まず、自分仕様ってどうなのか?
自分仕様と言うのは火葬場から帰ってきてから入れ替えることになります。
特別の形のは火葬場では扱えない(扱いたくない)または火葬場へ骨瓶の持ち込み禁止(東京23区)すらあります。
それと大腿骨みたいな大きな骨(多くの場合は既にもろくなって小さく砕かれています)を特別な形をした骨瓶に納めることが難しいです。
手元供養として置いておきたいなら、一度お骨を粉砕する必要があります。
ご自身でなさっても問題はありません。

1つだけ注意が必要なのは(粉骨ではなく)、お骨を入れた桐箱に埋葬許可書が一緒に入っています。
火葬場の職員は喪家が失くさないようにお骨と一緒に桐箱に埋葬許可書を入れてます。
埋葬・火葬許可書は再発行はされませんので。

さて、話を元に戻します

海外の骨瓶、とくに「西洋骨壷」で検索されると色んな形がでてきます。
さて、時代は21世紀。
そして3Dプリント技術が徐々に盛んになってきました。
3Dプリンタは樹脂だけとは限りません。金属製も作れます。

アメリカは「火葬」=粉骨までが最終段階です。
日本みたいに骨を残す文化ではありません。
骨を残すにはそれなりの火夫(かふ)さんの技術があります。
従って、杯にすることが火葬の目的で、最初から自由な発想の骨壷が存在します。

こちらをご覧くらださい。

元NASAのエンジニアの骨瓶です。

http://www.prweb.com/releases/2015/07/prweb12862671.htm

スペースシャトル!

瀬戸物では作れないです。
これをメーカーに頼んでも作れないです。
それなら自分で設計して作ってしまおう!
3Dプリンタで作るにはそれなりの知識が必要ですが、ファボラボへ行けば丁寧に教えてくれます。

そして、昨日、豊島区の椎名町駅前の金剛院さんを日本葬送文化学会の定例会の野外研修会で訪問いたしました。
骨瓶に関して、今後どうなるのか、色々と楽しいお話を住職から伺いました(これは別途書きます)。

脱線王だな・・・
3Dプリンタなら、粉骨したあとに自分仕様や自分が残したい気持ちやイメージを残すことができます。
お骨の扱いが今後、意識が変わってくるだろうと。
遅かれ早かれ、葬儀社はその対応を迫られるだろうと。
金剛院の住職はこの5年以内に激変するだろうと。

自由な発想があっていいかと思います。
葬儀の文化はあらゆると変化しています。
対応できない葬儀社が崩れていくでしょう。