FCCJでPodcastを配信できないか

2020年のeMarketer社の調査研究報告、世界ではポッドキャスト視聴者人口は5億人(ホンマかいな?)くらいいると言われています。その半分が30歳以下?今は若者のコンテンツなんだな〜って。
私自身は2007年くらいから最初のポッドキャストを作り、配信しております。
当時、配信するにはかなり難関がありました。
とくにRSSを作って、どこにどうやって登録するか(当時のiTunes Store以外になど)、試行錯誤で試すしかありませんでした。つい数年前までもApple Podcastの設定がおかしくなって配信されなくなったこともあります。

更に自前のサーバで運営するしかなく、もちろんレンタルサーバーを活用することもできましたが、今みたいにWordpressやその他のクラウド配信サービスがありませんでした。

ちなみに、私は現在、Soundcloud、Wordpress、Spotify(旧Anchor)を利用していくつかのポッドキャストを配信しております。

ポッドキャストはiPodが2001年10月23日に発売(23年前!)に伴ってiTunesアプリで配信されました。
そのiPodも一昨年(2022年5月)、とうとう製造を停止し在庫処分販売されて、iPhoneなどのスマホに統合されてしまいました。

No one knew that the following year was the DEATH of iPod was coming

実際、今ではお陰様でiPodだけでなくスマホだけでなく、パソコンからも視聴できるようになりました。あと昨年末でGoogleがPodcastアプリをやめてYouTubeに統合しました(私もYouTubeへ配信するように変更しました)。

さて、そのポッドキャストを低価格でどう配信するかが課題になりました。
私自身として、現在、FCCJのIT委員会の実質委員長であり(2019年に委員長を譲ったのですが、また今年になって引き継ぐことに)、どのように記者たちがFCCJのスタジオ(反響が酷いw)で配信できるか検討を進めています。

昨夕もそのミーティング、更に8日もミーティングがあります。

実は、そのFCCJのスタジオには大きなテーブルがあって、音が反響しまくるんです。
壁には吸音材が貼られていますが、焼け石に水の状態。

こんな状態はありえんわ!

このビデオが当時(2020年1月27日)に音の反響を確認するために録画したビデオです。

反響音が酷い・・・

さて、そんなこともあり、この部屋をポッドキャストやビデオインタビュー収録・配信として活用するにはどうしたらいいのか・・・

答えとしては、分厚い毛布をテーブルの上に敷く(ちょっと厚いテーブルクロスでもいいんですけど)、吸音材として使うしかありません。
さて、次に注意せねばならないのは、静電気ですよね。毛布(フリース)だと静電気を誘発します。
触るものに注意せねばなりません。
我が家では収録のとき、最近はバスタオルを活用しています。

どの会議室も同様ですが、やはりテーブルが大きいと音が反響し、マイクがその反響を拾います。
まして、この映像のように室内でガンマイク(コンデンサーマイク)を利用していたら、なおさらです。
ちなみに、室内でガンマイクは反響を拾いますので、記者会見みたいな場合でないかぎりオススメしません。(船場吉兆の女将のヒソヒソ話を拾うようなときは有効)

https://gendai.media/articles/-/44920


御徒町で展開していた RodeCaster Pro

私は通常、Rode社の初代RodeCaster Proを介して収録しております。
ビデオ収録のときはアナログでビデオにフィードしています。
ポッドキャストだけなら、そのまま収録します。
収録されたデータは「polyWAVE」と」いう一つのトラックに複数のトラックが埋め込まれている特殊なWAVフォーマットファイルです。
これを展開する必要があります(GarageBandでも展開できますし、フリーのアプリならAudacityでも活用可能です)。


現状、いくつかのポッドキャスト収録装置を提案しています。

  1. Zoom R4 MutliTrak (2 tracks, 20,000 円くらい) – ハンディータイプ
  2. Zoom PodTrak P4 (4 tracks, 20,000 円くらい) – ハンディータイプ
  3. Zoom PodTrak P8 (8 tracks, 37,000 円くらい)
  4. Tascam Mixcast 4 (4+8 tracks, 34,000 円くらい)
  5. Tascam Portacapture X8 (4+4 tracks, 58,000 円くらい)
  6. Rode RodeCaster RC Duo (4 tracks 82,000 円くらい)
  7. Rode RodeCaster Pro II (4+8 tracks, 100,000 円くらい)
  8. Mackie DLZ creator (4+8 tracks, 110,000 円くらい)
  9. Mackie DLZ XS (2 tracks, 価格不明) – DLZ Creator のミニ版 1/17発表

*PodTrak P4とかは4トラックだが制限があたりする
*その他も同時に使えるトラック数も限られていることがある
*Tascam Mixcast 4は無料の専用編集アプリがあり、名前を登録することで利用できました。
*Mackie DLZ XSの価格(71,000円前後を予想、国内販売日程が不明(2024年1月31日現在)
*Mackie社は競合するRode社に買収されて、今後の商品展開が不明

予算がないので、もしFCCJで購入するなら、現在Tascam Mixcast 4をオススメしています。
それ以外にも卓上スタンド(最低2本)、指向性ダイナミックマイク2本(2万前後 − XRL端子)、ヘッドホン2セットが必要だろうと。

本来ならオーディオテクニカのAT8700jみたいなデスクアームスタンド(約1万円)のが欲しいが、机の移動や取り外しが必要なので、記者クラブで記者会見のときに利用している卓上スタンドのほうが便利である。

https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/294810/

それなら記者会見用のマイクセットを使えばいいのでは?と思われがちだが、本数に限りがあり、会見時で足らなくなるのは本末転倒なのでこのアイデアは却下している。

あと、安いアームスタンドは重たいマイクだと確実に落ちてくるので、却下。
苦労した経験があります。

https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/280465/

私の場合は、マイクにShure PGA58を利用しているが、SM58のほうがハンドリングノイズに対して優れているので、残念な思いをしてしまった(笑)。
ちょっとマイクスタンドに手が触れたりしても音を拾ってしまうので注意が必要。
この辺りで最高峰とされているのがShure SM7Bだが、1本6〜7万円くらいするので4本も揃えたら軽く30万近くの出費になるので、そこは我慢。

PGA58の場合、ON/OFFスイッチがあるから便利
そして、重たいスタンドを活用しています

Mixcast 4

さて、なぜ私がRodeCaster Pro IIやMackie DLZ、zoom PodTrak P8ではなくこの子をオススメするのか。

性能はどっこいどっこいです。
コストなんです。
P8でもいいのですが、Bluetoothが別デバイス、パッドが小さいが9つある、6番目のインプットが便利ですがLINE/MIC/USB混合(P4も1チャンネルが同様で同時に3名+USBとなるので注意)、徹底してはいるがマイク端子はXLRのみなんです。

しかし一つどこよりも優れているのは、ポータブルなんです。
つまり、USBバッテリー駆動できます。

PodTrak P8

私としては、記者クラブでデスクトップで固定システムとして活用されるので、バッテリー駆動は想定していないのです。さらに、持ち出しが容易であると、盗まれる可能性があるので、P4などハンディータイプは禁止。

これらのものはそのままUSB経由でパソコンに配信(収録)できるので、SDカードがなくても(忘れても)PCにつないでAudacityやAudition、Ableton LiveやDavinci Resolveなどにも入力可能なはず。

マルチトラックゆえに、切った貼ったが容易でもあるし、ポストプロダクションで活躍が期待できます。
「あー」「うー」とか必要ないノイズを相手の音声にかぶらずカットできます。


アプリはどうなのか?

正直なところ、個人の自由と感覚ではある。
Davinci Resolveの場合Fairlightというのがあり、Adobe AuditionやApple Logic Proに匹敵するアプリですし、今はフリーウェアのAudacityも機能をアップして使いやすくなっています。
もちろん、マックをご利用の方々はGarageBand(通称「ガレバン」)の利用も視野に入れてください。

「ガレバン」でBGMの自動ダッキング(オートメーション)機能

普通にUSB接続できるミキサーで収録してもかまわないんですよ。

だが、そのミキサーの設定などを理解していない人たちが多いので、まずハードは簡単なものを選び、自宅にデータを持ち帰ってTascam Podcast Editorを利用して自宅で修正することも可能です。

実際、Spotifyの https://podcasters.spotify.com/ を使うことで、BGMを入れることもできます。
もうそれなら、iPhoneにきちんとしたマイク(イヤホンマイクはやめて欲しい)を使うことで簡単にコンテンツが作れてしまい配信できる時代になってしまいました。

ご興味があるお方、ぜひ試してみてください。