AIから人へ、チャットボットの不満

このブログでも「Chatbot」(チャットボット)に関して幾度か書いています。
UI/UXが非常に悪いから可能な限り使いたくない。
一昔前のMS Officeに出てきたイルカくんを知っている人も少なくない。
たまに話題になる。

今回、友人が会社を閉じるというので相談に乗ってあげた。
勇気ある撤退で素晴らしいことだなって。
続けることで自分の未来を潰す、家族の未来も潰す、そして社会へのダメージもある。
会社経営には「出口戦略」が必要。

よく間違えられるのは「出口戦略」というのは「撤退方法」であり、ビジネスで「売り抜ける」とか「落とし所」を探す手段ではない。
これは軍事用語であると知られていない。

困難な状況から損失を最小限に抑えつつ撤退する計画」を意味します。ビジネスにおいては、特にベンチャー企業や投資家が、投資資金を回収したり、事業を売却したりする戦略を指すこと

Google AI回答

考えてみたら、私の会社は出口戦略というのがなかった。
これは自分の性分で「勝つまでやる」クセがあったからだ。
ミノルタにいたとき、よく「こんなクソ事業、早くやめればいいのに」って思ったことが多くあった。
経営者っていうのは客観的に見えないことが多い。
それは思い入れが多いからだ。

大企業は天下り社長は思い入れがないだけ失敗することもある。

目覚めよ、日本の創業家 宿願のROE10%超えが4割に
デジタル版「日経ヴェリタス」から

https://www.nikkei.com/nkd/company/article/?DisplayType=1&ng=DGXZQOUB185XR0Y5A410C2000000&scode=3038&ba=1

だが、その前に天下りを受け入れざるを得ない状況がアウトだということに気づいてほしい。
更に、日経225の半分以上が政府(日銀)がカネを突っ込んでいる会社でしょ。
その時点で公平性がないっていうのが。

チャットボットの失敗
https://note.com/yeyshonan/n/n7e633f40a6eb

さて、そのチャットボットだが多くの会社と顧客の両方が困惑していることをご存知だろうか?

なぜ企業がチャットボットを導入するのかを考えてみると、答えは簡単である。

  • 経費削減
    • スウェーデンのFINTECH Klarnaが経費削減のために導入したら大失敗。
      • 人員をコストとして見ていたのが敗因
      • 結果、顧客満足度低下(どん底)で人を呼び戻した
  • 効率化
  • 投資家を搾取
    • Builder.ai がニセテックで人をAIと見せかけてバレた
      • ある意味、人のコーディングのほうが優れていたけど全てウソの塊だった

色々とAIを使ってとかテクノロジーを使ってとかウソが多いわけです。
私からしたら WeWork が一番のニセモノだなって。
何がテクノロジーだって・・・ただのサブリース屋なのに。

テクノロジーの使い方は多岐にわたります。
葬儀業界でもチャットボットの導入に関して、私は非常に懐疑的です。
よく展示会でお会いするのが User Local さん。
やはり皆さん、葬儀業界の仕組みを知らなく、色々と提案してきます。
中身を知らない人たちが「こう思う」とかいう思い込みでアプローチされても中の人は困惑するだけ。

本当なら、中の人とコラボして(顧問として雇う)システム開発をすることが望ましいのだが、そういかないのは日本のJV(ジョイント・ベンチャー)システムがあまりにも上から目線的だからだろなと。
JVが日本で成功するのは、あくまでも対等の立場でしかない。
小さいところがアイデアを持って、資本と資産があるところへ訪れても情報を搾取されるだけ。
これが非常に問題がある。

古いデータベース型のChatbotが進化してAI Chatbotになり、どんどん情報を吸い上げると問題になる。
そこに「RAG型」のチャットボットが必要となる。

ちなみに、先日、JETBさんとやり取りをしていて某大手の会社のシステムソリューションの方々でAI担当者たちの全員がRAG (Retrieval Augmented Generation) の意味を知らなかったらしく嘆いていた。

私も頭を抱えてしまったのは言うまでもない。
それが一般なんだなって思い知らされた。


Instagram、Tiktok、Threadsで活躍中のアイドル、長谷川まりなさんをご存知だろうか?
彼女はAIです。
最初は多くが本物だと信じた人もいたがすぐに疑いが広がった。
結論、明らかにAIです。

架空のバレーボールチーム「翠嵐グリフィンズ」のインタビューまである。
これはよくできている!

こういうのがチャットボットを使ってファンサービスは全く問題ないと思っています。
それは夢を与えるし、ある意味、人間のアイドルよりも健全である(TokioやSMAPも問題)。

しかし、葬儀業界などの宗教が絡む、しきたりも絡む、人の感情もかなり重要な場面では?

鎌倉新書が運営する「いい葬儀」にChatbotが導入されているが、完全に不完全である。
つまり、イラつかせるだけの仕組みである。

お前、訪問者をナメているのか?って思わす回答が出てくる。
それならボタンを設置するな!

つまり使い物にならない。
ユーザへの不信感だけでなく、嫌悪感しか産まない。

ここのチャットシステムを導入しているのがChatplus社であるとChatplus社から聞いた。
最低限の情報しか入っておらず、最低限の費用での運営らしい。
そんな UI/UX を損ねるようなことはすると炎上するが、葬儀業界では「いい葬儀」で本格的に検索する人が少ないから炎上しないのだろうと。

そもそも、人が亡くなって、Chatbotでやり取りする人はいない。
Google検索をして切羽詰まっているから一番上に表示されるところをクリックする。
その多くが「小さなお葬式」の広告であり、お客さんはそこに電話してしまう。
しかも、そこがいかも自分がそこの葬儀社だという思わせぶりに書いているから厄介だ。

ある意味、詐欺に近いが、決して自分たちが「葬儀社のコールセンター」だと言っていない。
あくまでも「小さなお葬式」だと言っているだけである。

仲介人(ブローカー)であることを明言していないのが問題だが、それはお客さんにも問題がある。

Chatbotを使って答えをまともに得ることができた人は非常に少ない。


そもそも企業内のチャットボットならRAGでないといけない。
勝手に他のデータを探しに行って間違った回答を提供したら本末転倒である。
導入まで時間がかかる、つまりそれは工数とコストだ。

シナリオに当てはまらない質問には答えることができない。
ユーザはさまざまな質問をするのと、システム管理者の想像範囲を超えたことをする。
例えば、AIに携わっている人ならRAGということばが Retrieval Augmented Generationの略だというのを知る必要はないがRAGという言葉を知る必要がある。
某C社の子会社のシステムソリューション社の担当者全員がRAGの意味どころかRAGを聞いたことがないという体たらく状態だったらしい。
あそこ、ルータ販売、アンチウィルスのESETとかの販売もしていたはず。

社内の内容なら今ならGoogle NotebookLM や MS Copilot Notebook などがあります。
これで構築していくほうがずっと社内のためになることはじゅうぶんあります。

だがここにも落としな穴があります。

NotebookLM のどのファイルに探している情報が書かれているか検索できないのです。
実は、昨日、この情報を探すのにNotebookLMには検索機能がないことが発覚。
今、私は note.com, mychigasaki.com, jfuneral.com, そしてここに書いている。
それでも発見するのに一筋縄ではいかなかった。

探していた情報は Perplexity にカキコしていた。
だがそれも発見できない。

だから、フロントエンド開発は必ず必要である。
データのインデクス化が必要なのはいうまでもない。

ChatGPT, Gemini, Perplexity などに過去のプロンプトを探す検索機能はあるが、分散しているとわからない。しかもPerplexityは検索はイマイチである。

だからこそ、情報は一つのノートブックにまとめて、そこの検索機能が必要である。

お客さんとしては急ぎではない場合はChatbot経由に見積もりを提出してもらう仕組みがあれば便利だとは思う。
お急ぎですか?という質問で「はい」が来たらコールセンターにつながる処理をすることが必要だ。

基本的にそういう作りであることは重要だが、葬儀の依頼でチャットボットの活用は非常識であることは確かだ。
Google検索がすべてチャット検索にならない限り、葬儀依頼で葬儀社を探すことはあり得ないから。

一つ間違えればネームバリューに傷つく。
お葬式というのは口コミと信頼性だけで成り立つビジネスである。

Harvard Business Review では怒った顧客は23%評価が低いことを調査した:

Research found that angry customers were 23% less satisfied when interacting with a human-like chatbot compared to a more straightforward, machine-like one.

https://hbr.org/2025/05/fixing-chatbots-requires-psychology-not-technology

つまり心理的にどうチャットボットを扱うか導入する前に検討する必要がある。

決して私はチャットボットを否定しているのではなく、使い方をきちんと決めないといけない。
導入する企業に人の代替えではないことを理解してほしい。