毎月、渋谷WEB3大学ではゲストを招いてトークショーをやっています。
登壇される方々はとんでもない有名人や社会のインフラを作っている会社の人たち。
しかも、めちゃくちゃ若い!
オッサンたちはもう引退しろって思う。
だが、オッサンたちがこの有望な若い人たちの発表の場を作ることも重要である。
マイクロホンには大きくわけて2種類ある。
ダイナミックマイクとコンデンサーマイクが。
ダイナミックマイクは電源を必要とせずケーブルのみで繋がります(ワイヤレスの場合は電波を飛ばすのに必要)。
コンデンサーマイクはお値段が比較的高いのは敏感なセンサーと電気回路が必要だからです。
エアロスミスのボーカリストのスティーブン・タイラー氏みたいに振り回したら壊れます。
見た目ではわからない。
利用方法によって変わる。
ニュースキャスターが街頭インタビューで利用しているのはダイナミックマイク。
きちんとマイクを喋っている人に向けない下手なキャスターもいます。
こういうのは音声さん(音声調整を現場でしている人)は非常に大変です。
虫かごみたいなのも見たことがあるかと思います。
あの中に超高感度ガンマイクが仕込んであり音声を拾っています。
私の机の上ではこんな状態:
パッと見ではこの形でダイナミックもあればコンデンサーもある。

金属メッシュはMXL V67G-HE(コンデンサー)
ミキサーはSound House MX-EZ6
真空管プリアンプ Presonus BlueTube DP v2
ビデオカメラに装着されているのはコンデンサーマイクで指向性があるやつです。
あの船場吉兆の謝罪会見で女将がボソボソって息子である社長に伝えたけど、超高感度のコンデンサータイプのガンマイクはその内容を拾った。

「吉兆 女将 ささやき」で検索してくれたら色々と出てきます。
そこで、昨夜、毎月ある「渋谷WEB3大学」のイベントでマイクロホンの使い方を登壇者にお伝えいたしました。
中にはマイクの使い方がすごく下手な人が大勢います。
それは、マイクの特性を知らないだけでなく、
エキサイトして(自分で自分が話していることに酔ってしまう)
エモーショナルになり、マイクを口元から話してしまうからです。
つまり、体を張ったパフォーマンスになる人が(それはそれでいいんですが、マイクだけは注意してほしい)
そうなると、トークイベントで聞き取れない場合、聞き取ろうとするエネルギー(労力)がそっちへ90%消費されるので、話の中身なんか憶えていないのです。
これだけ、トークショーで音が大切だということを理解していただきたい。
イベント会場とかで利用するのはダイナミックマイクです。
もちろん、卓上マイクにはコンデンサーマイクとかもあります(私は持っています)。
これは大きな理由がいくつかあります。
- 乱暴に扱っても大丈夫(落としてもすぐには壊れない)
- 電源が必要ないからメンテが楽
- 感度が低いのでハウリングを起こさない(スピーカーの音を拾いにくい)
- もちろん静かなのもあります(ノイズが少ない)
この特性を活用しているのがロック歌手やアイドルさんたちです。
口元にマイクを持って謳っているのを見たことがあるかと思います。
この人たちは徹底しています。
口元にマイクをもってくるとポップ音(パピプペポ)の息がマイクに吹き込まれて籠もった音になってしまいます。
だから録音するときに「網」みたいなメッシュの「ポップガード」というのをつけます。
会場ではそうはいかないので、あのクッションをつけたりします。
あれは風切音を低減するためにあります。
ポップ音は風切音です。
あと他に問題があるのはマイクの「ハンドリングノイズ」
これはマイクに依存するものがあります。
登壇者の中にはマイクを持ったことがない人が大勢いるので、今回は私がブチギレないように、HAJIMEX学長にお願いして、先に皆さんに教育しよう!ってことになりました。
毎回このトークイベントの音質が悪いのです。
理由はWeWorkのようなシェアオフィスは大勢の人がいて(ガヤガヤやっている)からです。
更にマイクを口元から話して喋る人が多いからです。
「WeWorkのようなところは感度の低いマイクでフィードバックループのハウリングを避けるようになっています。マイクは口元まで持ってきてお話ください。ロック歌手やAKBなどが口とマイクがギリギリのように。皆さん、ロック歌手やアイドルになったつもりでご講演をお願いします。」ってお伝えください。
これで皆さん、ロック歌手・アイドル気分に!
実際、マイクが口元から離れるとすごく拾いにくくなります。
これを補うのが「コンプレッサー」という装置です。
ミキサーにこの機能がついているのもあります。
コンプレッサーの役割は大きい音を小さくし、小さい音を大きくします。
そしてレベル合わせをする仕組みです。
しかし、コンプレッサーを入れると他のマイクやスピーカーからの音、更に会場の音などを拾ってしまい、本末転倒になります。
ブースターというのもあります。
これは「ゲイン」といってマイクの電気的数値を上げるものです。
静かなマイク(Shure SM7Bみたいなダイナミックマイク)は低ノイズですが非常に静かでゲインを50dBくらいアップしないと声を拾わないのです。
なぜ?と思われるでしょうが、これはインタビューとかで他人の声を自分のマイクで拾わないためです。
ミキサーによって、それだけゲインを上げる能力がない場合はブースター(Cloud LifterやDynamiteなど)を入れますが多少ノイズが乗ります(だがほとんど意識しなくて大丈夫)。
あと、ハウリングなどを避けるために「エコーキャンセラー」という装置を入れることもあります。
これは自分の声をループバックさせないためにあります。
昨日のイベントは皆さん、頑なにお伝えしたことを守ってくださいました。
もう最高のイベントになりました。

となりがコインポストCEOの各務さん、
X-BANK 専務の仮想NISHIさん(HORIE MOBILEなどを提供している会社)
そしてAVALANCHEのレイヤー1を開発しているAVA LABSの平田さん
本当に普段、こんな人たちとは出会えない集まりです。
マイクをきちんと活用したことで、会場の皆さんも聞きやすく、濃い内容になりました。
そのおかげで、質疑応答もめちゃくちゃ濃い内容の質問がいくつかでました。
こういうのが大切だなって。
トークショーで聞こえないっていうのは致命傷。
ナンのために聞きに来ているのか本末転倒になるからです。
あと、我々もイベントを録画していて、私も音の調整のために映像を編集したことがありますが、マイクの扱いが下手な人の音は修正不可能なことがしばしばあります。
今回は非常にいい録画が取れたかと思います。
コインポストの各務さんからWEB X2025というトンデモイベントが開催されますと紹介されました。
これはアジア最大級のイベントとのことです。
今年は8月25-26日、芝のプリンスホテル・パークタワーです。
過去には台湾の初代IT大臣、オードリー・タンさんも参加で盛り上がりました!
今年もタンさん、ゲストスピーカー!