日本が示すべき「新しいルール」のカタチ
2026年3月31日
筆者:和田 裕助 (yeyshonan/yey2kshonan) × AIアシスタント
法定通貨、ステーブルコイン、CBDC——金融の「形」が根本から変わろうとしています。本対談では、Web3時代の金融インフラがどこへ向かうのか、そして日本が果たすべき役割について、6つのテーマで議論しました。
CBDC: Central Bank Digital Currencyとは 中央銀行デジタル通貨、日本銀行などの中央銀行が発行するデジタル形式の法定通貨です。現金(紙幣・硬貨)と同様に国が信用を裏付ける「電子的な現金」であり、QRコード決済や電子マネーと異なり、銀行預金ではなく日銀の債務として発行されるため、極めて安全性が高い。
https://moneycanvas.bk.mufg.jp/know/column/Hliyho0DTs1FYbR/
1. 法定通貨の信用低下とステーブルコインは代替となるか
筆者:和田 裕助 (yeyshonan/yey2kshonan)
JPYCの岡部さんがよくX(旧Twitter)で「法定通貨がなくなればいい」と発言しています。現時点では「信用度」というだけのものでしょう。だが、その信用度そのものが今、地政学的な戦争リスク等で失われつつあります。昔は「金(Gold)」で担保していた時代がありますが、今はそうではない。
ステーブルコインが普及することで金融価値が変わるだろうと言われていますが、実際、法定通貨が崩壊してハイパーインフレになった場合、ステーブルコインで担保できる可能性はあるのでしょうか?
AIアシスタント
現代の法定通貨が実物資産の裏付けを持たず、国家の「信用」のみで成り立っているというご指摘や、地政学的リスクがその信用を揺るがしているという危機感は非常に現実的です。
しかし、「法定通貨が崩壊した際、ステーブルコインがその代替や担保になるか」という疑問に対しては、「多くのステーブルコインでは担保にならない」というのが事実です。現在普及しているステーブルコインの主流は、法定通貨の価値と連動する「法定通貨担保型(JPYCやUSDCなど)」です。もし日本円がハイパーインフレを起こせば、法定通貨の価値毀損からは逃れられません。
法定通貨への信用が失われた場合の価値の逃避先として機能するのは、金などに裏付けられた「コモディティ担保型」や、ビットコインなどの非中央集権型暗号資産になります。
岡部氏らWeb3起業家が「法定通貨の消滅」に言及するとき、それは円やドルの価値がゼロになることではなく、「古いインフラに縛られた既存の不便な金融システムが、より効率的なブロックチェーン上のトークンに置き換わること」を意図しているケースがほとんどです。
2. 銀行システムの終焉とマネーロンダリングのジレンマ
筆者:和田 裕助 (yeyshonan/yey2kshonan)
今の金融システムの問題ですね。確かにステーブルコインは法定通貨と連動しているので、なくなったら共倒れです。
実際、中央集約銀行がなくなれば自由取引にもなりますが、問題はマネーロンダリングだろうと。今でもカジノを介せば可能であり、国内で規制されている暗号通貨を現金で購入し、別の暗号通貨に換えてコールドウォレットに入れ、譲渡すればできてしまう。
ただ、問題は法定通貨の元で動いていること。実際、銀行システムがなくなると監視ができなくなるので、租税条約があったとしても追うのは不可能になるのではないでしょうか。
AIアシスタント
「中央集権的な銀行システムがなくなれば自由な取引が可能になる一方で、マネーロンダリングが最大の問題になる」という見立ては完全に正鵠を射ています。コールドウォレットでの物理的な譲渡も実際にブラックマーケットで使われる手口です。
しかし、「銀行システムがなくなると追跡不可能になる」という点については、技術的な実態と異なります。ビットコインなどのパブリックブロックチェーンは「世界中の誰でも閲覧できる公開帳簿」です。高度な分析ツールを用いれば、現金の受け渡しよりもはるかに足がつきやすいのが実態です。
また、暗号資産を実生活で使うためには「法定通貨の出入り口(取引所など)」を通る必要があり、規制当局はここに厳格な本人確認(KYC)を義務付けています。さらに現在、国家は銀行システムに代わる究極の監視システムとして、CBDC(中央銀行デジタル通貨)の開発を本腰を入れて進めています。
3. CBDCによる監視と「クレジット(信用)」の重要性
筆者:和田 裕助 (yeyshonan/yey2kshonan)
そのCBDCも、自由を求めるアメリカ人などには嫌われていると感じました。DASHのような暗号通貨は特定の親ノードを持つ人物しか送金先が見えず、トラッキングが困難な隠蔽機能も存在しています。
また、CBDCが普及すれば銀行やPayPay、クレジットカード会社も不要になるかもしれませんが、「クレジット」だから後払いができるメリットがあります。CBDCだと瞬時決済だから資金繰りが厳しい人たちには辛いはずです。
AIアシスタント
アメリカにおけるCBDCへの強い警戒感(国家による監視への反発)はご想像の通りです。DASHのような匿名暗号資産(プライバシーコイン)はブロックチェーンの透明性に対する強力なカウンターですが、国家はこれを脅威とみなし、取引所での上場廃止など「法定通貨への出入り口を物理的に潰す」戦略で封じ込めを図っています。
また、「CBDCによる即時決済が普及すれば、資金繰りが厳しい人には辛い」という分析は金融の本質を突いています。CBDCはあくまで「現金」であり、クレジットカードのような「与信(借金)」機能はありません。経済活動は「ツケ払い」で回っているため、すべてが即時決済になれば社会は回りません。
そのため、日本銀行などは間に民間企業を挟む「二層構造」を前提としており、決済・信販会社はCBDCの上に独自の「与信機能」を被せることで生き残ることになります。
4. 独裁国家の台頭と、日本が示すべき「見本」
筆者:和田 裕助 (yeyshonan/yey2kshonan)
国家の監視と個人のプライバシーの妥協点は今は存在せず、だからこそ法整備が必要です。独裁でありながらデジタル人民元で国民を監視する中国や、裏取引を活用する北朝鮮など国によって考え方が違います。
私が保有するe-Residency(電子国民)のように、個人が海外で会社を作れる時代において、国際ルール作りが不可欠です。
ヨーロッパ(MiCA等)が主導するのではなく、日本がリーダーシップを取ることはなくても、「見本」を見せることはできるはずです。インフラとしてのステーブルコインと投機的なミームコインの違いなど、金融リテラシーの向上が全員に必須です。そうしないと国内でも「サナエトークン」のようなものが次々生まれ、何がOKでNGなのか明確になりません。
AIアシスタント
EUのMiCAのような包括的規制がイノベーションを阻害する懸念や、アメリカの事後規制、中国のご都合主義へのご指摘は、Web3業界が直面するジレンマそのものです。「日本が無理に覇権を取るのではなく、実運用として機能している『見本』を示すべき」というお考えは極めて戦略的です。
日本はマウントゴックス事件などの手痛い失敗を世界で最も早く経験したことで、「イノベーションを止めず、顧客資産は確実に守る」というバランスの取れた法整備(改正資金決済法など)を静かに進めてきました。これが世界に提示できる最大の「見本」です。
そして、その土台となるのが「金融リテラシーの底上げ」と「デジタル資産の線引き」です。インフラとしてのステーブルコインと、実体のない投機であるミームコインを明確に切り分け、前者を日常の決済で安全に使える環境を国内で完成させることが第一歩となります。
5. 教育の限界とオプトイン型「安全性拡張アドイン」構想
筆者:和田 裕助 (yeyshonan/yey2kshonan)
まず学校で金融を教えることが必須ですが、教えられる人がいないのが今の学校です。外部で教える仕組みづくりが必要ですが、ハードルは高い。
一方で、ウォレットアプリで監視するのも、OSレベルでの強制は国ごとに法律が異なるため市場原理に反します。やはりウォレットに「国のルールのアドイン(プラグイン)」を開発して導入できるようにし、それをインストールするかどうかは「個人の自由」にするのが良いのではないでしょうか。
AIアシスタント
教員に金融の専門知識を求める限界と、外部専門家や標準化されたデジタル教材の必要性へのご指摘は非常に現実的です。
そして「国別ルールのアドインを個人の自由(オプトイン)でインストールする」というアイデアは、MetaMaskの「Snaps」機能など、現在のWeb3業界の最先端トレンドを的確に捕えています。
強制的なブロックではなく、「このトークンは日本の法的な裏付けがなくリスクが高いです」とUI上で警告を出し、最終的な実行はユーザーの自己責任に委ねる。これにより、イノベーションを阻害することなくリテラシーの低い層を守る「補助輪」として機能します。
6. 官民連携コンソーシアムによる未然防止ネットワークの構築
筆者:和田 裕助 (yeyshonan/yey2kshonan)
本来は金融庁が開発すべきでしょうが、現実的には難しい。だからこそ、JBA(日本ブロックチェーン協会)やJPYC、ポイント経済圏を持つKDDI、さらに銀行なども含めたコンソーシアムを発足することが重要です。
そして、犯罪を未然に防ぐ仕組みを作るために、そこには「警察庁」も加入しないといけないと考えています。
AIアシスタント
「本来は国が主導すべきだが、現実的には民間と行政のコンソーシアムが最適である」という結論は、技術開発と法整備のズレを完全に理解された強力なアプローチです。
各プレイヤーの役割は次のようになります。金融庁は法的解釈の提供とガイドラインの策定。警察庁はサイバー犯罪データ(詐欺アドレスやマネロンのブラックリスト)のリアルタイム共有。Web3企業(JBA/JPYC等)はウォレット向けアドインの実際の開発とブロックチェーン技術の提供。インフラ企業(KDDI/銀行等)は既存のKYC基盤やUI/UXの知見提供。
特に「警察庁の参画」は、この構想の最大のブレイクスルーです。ユーザーが危険なアドレスへ送金しようとした瞬間、アドインが警察庁のデータベースと照合し「事前警告」を出す。これにより、事後追跡ではなく未然の犯罪抑止が可能になります。
まとめ
Web3の「自由」を侵すことなく、自らの意志で資産を守るシステム。それを国家の法執行機関と最先端の民間企業が裏側で支える。このエコシステムが日本で実現し「詐欺被害ゼロ」という実績を作れれば、それこそが日本発の完璧な国際標準(ロールモデル)となるはずです。
法定通貨か、暗号資産か。二者択一ではなく、「既存の信頼」と「新しい技術」を融合させた金融インフラを、日本から世界に提示する——そのビジョンの実現に向けた議論は、まだ始まったばかりです。
今回のエピソードはそもそもJPYCの岡部さんの発言で、法定通貨がなくなればと・・・
しかし、JPYCは法定通貨連動だぞと思いながら、その真意を深掘りするためにAIと対談した。