気をつけよう、「AI活用で爆速に稼げる」甘い誘い

モンキービジネスになり、
自分を崖から落とし込むようになる

先ほど、とあるお誘いを通して無料セミナーに参加してみた。

ショート動画をAIで作り集客をし、そこからマネタイズ(実際、マネタイズは結果であるが)。

人間が社会で生きていくには、誰かから必ず学ぶ必要がある。
だからこそ、先生がいて、生徒がいます。
そして、そこには月謝や授業料、奉仕などの色々な面で対価を支払う必要があります。
無料でナンでも手に入れることはできないのです。
それができるのは魔法使いだけですが、その魔法使いですら、きっと厳しい修行を得てその地位を獲得したのです。

AIとSNS集客が話題の時代

もちろん、これは昨日や今日に始まったことではなく、ChatGPTが3.0を発表したときに世界が一気に動き出しました。
そこで多くのAIマーケティングツールなどが世の中に出回りました。
今でもきっと10000種類のAIマーケティングツールがあるでしょう。

こちらは、私が葬儀社さん向けに2024年5月に行ったセミナーの予告編です。

約1時間のセミナーは存在しますが、このような教材は時代とともに陳腐化するので時が経つことで限定公開にしています。

私としてはどの葬儀屋さんもきちんと、偽りなくマーケティングをし、AIを学んで、業務改善として活用してほしい願いがあります。


今回のセミナーのテーマ: ゼロから最速でSNS集客し、収益化する方法でした。

そこで講師のお方は短期間でバズるとかフォロワー数が増え、そこから収益アップに繋げると説明しています。

  • AIへの置き換え: サム・アルトマンの発言(5年後にマーケティングの95%はAI化)や、NTT・ゴールドマンサックスなどの事例を挙げ、AIを使えないと仕事がなくなると警告。
  • AIエージェントの時代: ソフトバンク孫正義氏の話を引用し、将来的には1人あたり1000台の「AIエージェント(AIの部下)」に仕事をさせる時代が来ると予測。
  • 広告費の高騰: 広告での集客は難易度が上がっており、SNSでの信頼構築(ファン化)が重要。
  • AIの実演: ChatGPTでタイトル案を出し、Vrew(動画生成AI)を使って、数時間かかっていたショート動画作成をわずか1〜2分で完了させる実演を行った。

実際、情報は間違ってはいませんが鵜呑みには注意が必要です。

他人の成果物を無断で利用許可をしているサム・アルトマン氏は著作権無視の火付け役で、利用者の数の論理で自分を優位に持っていこうとしています。
詐欺広告を放置しているマーク・ザッカーバーグ氏と同様の屁理屈です。

昨年末からYouTubeは無造作に増えた第三者のショート動画を利用してマネタイズしようとしているゴミ動画を排除しはじめました。
そしてそのようなアカウントを削除し収益を没収するようにもなりました。

つまり、AIコンテンツだけではダメなのです。
CANVAとAIで作る1000本ノックみたいな動画は即行で排除されてきています。

だからこそ、今は意味があるコンテンツが必要なのです。

そもそも5年後に弁護士も必要ないとか、医者も必要ないとか言っていたが、そんな世界は訪れていないし、より多く弁護士や医者が必要である時代です。

更に生成AIはプロンプトで指示に従います。
プロンプトというのは設計書と作業工程書です。
魔法の言葉ではありません。
きちんと伝えない限り、Vrewでもまともなビデオは作れません。


まずどのようなビジネスでもマネタイズするのに「ゴール」を決める必要があります。

ビジネスの鉄則ですね。

マーケティングというのは順番があります。
闇雲に誰に(全員に)商品を紹介するのではない。
もちろんそうしたいけど、湯水のごとくお金があればいいだろうが、そういうわけにはいかない。

だからこそ「誰に」が一番最初にきて、次に「何を」売るかを決め、そして手段「どうやって」がある。

だが、商品開発の段階で「BIG WHY」がある。
それは「大きな何故」が存在する。

「何故」それを売りたいのか、
「何故」それを作りたいのか、
「何故」それを買ってほしいのか、
「何」にその商品が役に立つのか、

この「何故」があり、次にマーケティングが存在することを忘れてはならない。

そこには Simon Sinek氏がいうApple社が見ている「Infinite Game」の思考と戦略が必要です。
「今日の試合は負けたが、トーナメントは終わっちゃいない」という思想です。


毎度ながらの違和感

このようなセミナーは情弱ビジネスなんです。
もちろん、冒頭で書いたように情報を持っている人が持っていない人に教えるのは師弟関係で、どんな世界でも人間の社会ではあります。

しかし、これの誘い方は確実におバカな人たちを釣る流れだなと感じました。

実際、宗教の勧誘や霊感商法、マルチ商法に似ている手口である。

実は、このような方法(セミナー)で客を釣るのはマーケティングでよく利用されています。
よくマーケティングで使われる「ピアノコピー」と呼ばれているものがその最先端です。

ダイレクト出版

「おバカな人を釣る流れだ」と感じたのは、このスクリプトが「冷静に論理的に考える人」を意図的に排除し、「感情で動き、現状に不安や不満を抱えている人」だけを抽出する(フィルタリングする)ように設計されているからです。

1. 「魔法の杖」の提示(努力の矮小化)

  • 論法: 「AIを使えば1分で終わる」「寝ていても入金される」「誰でも98%再現できる」
  • 狙い: 本来、ビジネスには地道な努力やスキル習得が必要ですが、それを「AI」というブラックボックス(魔法)に置き換えることで、「努力したくないが結果は欲しい」という層を強烈に引きつけます。
  • 矛盾点: 本当に誰でも簡単にできるなら、競争が激化してすぐに利益が出なくなるはずですが、そこには触れません。

2. 恐怖と救済(不安の煽り)

  • 論法: 「5年後に仕事がなくなる」「大企業もリストラ」「自己流は事故る」
  • 狙い: 最初に強い将来不安(恐怖)を与え、思考能力を低下させます。その直後に「でも、この手法なら助かります(救済)」と提示することで、講師を「唯一の救世主」のように見せます。

3. 極端な生存者バイアス(数字のトリック)

  • 論法: 「3ヶ月で2000万円」「初月から100万回再生」
  • 狙い: 宝くじの当選者だけを並べて「誰でも当たる」と言っているのと同じです。ビジネスにおけるトップ0.1%の成果をあたかも「平均値」のように誤認させます。
    YouTuberも同様でどれだけの人がHIKAKINさんみたいな人がいるのか。
    それを運営していたプロダクションのUUUM社も財政難になり、今は苦しい状況。
  • 仕掛け: 「98%の再現性」という強い言葉を使っていますが、何をもって「成功(再現)」とするかの定義が曖昧です(動画が1本完成しただけで再現、とする場合もあります)。

4. 虚像の権威性とストーリーテリング(共感と依存)

  • 論法: 「借金地獄やうつ病からの復活」「亡くなった知人の遺志」「社会貢献」
  • 狙い: 「私も昔はダメだった」というエピソードで親近感を抱かせつつ、「今は成功して社会貢献している」という聖人君子のような振る舞いで批判を封じ込めます。「素直じゃない人はお断り」と予防線を張ることで、疑問を持つこと自体を「悪」とするカルト的な依存関係を作ろうとしています。

5. 商材の「メタ構造」(中身のなさ)

  • 論法: 「初心者に教える商品を作ればいい」「教えることがなくても、調べたことを教えればいい」
  • 本質: これは「『稼ぎ方を教える』と言って集客し、その中身は『誰かに稼ぎ方を教える方法』である」という、価値が循環していないマルチ商法に近い構造です。実業(具体的なスキルや生産)ではなく、「虚像の売り方」そのものを商品にしています。

結論:なぜこの論法が使われるのか

私のように葬儀社の社長として色々と経験して、見てきたので「怪しい」「おバカな人を釣っている」とすぐに分かりますが、主催者側にとってはそれで良いのです。

  • 賢い人は最初から相手にしたくない: 論理的な質問をしてくる人、契約書を精査する人は、この手のビジネスにとって「面倒な客」です。
  • カモになる人だけを残したい: このような誇大な表現を見ても「すごい!私にもできるかも!」と信じ込んでしまう人(=疑うことを知らない、切羽詰まっている人)だけを、個別面談に誘導したいのです。

この論法は「リテラシーのある人を篩(ふるい)にかけ、落とすためのフィルター」として機能しています。