取るに足らん(デ・ミニマス)税金を取ることにした米国

これまでは800ドル以下の小包は税金がかからなかったものが、今後はすべての輸入品に関税と手数料がかかり、チェックも厳しくなります。

日本郵便も米国への配送を一時受付を中止しています。
実は、私は以前、手紙やハガキも受け付けなかったと。
だから、私の本を米国へ送るとき、必ず小形郵便やEMSで送っていました。
一冊送るのも10冊送るのも一緒・・・
英国なんかもっと酷かったです。

https://www.post.japanpost.jp/int/information/2025/0825_01.html

この変更は、フェンタニルという薬物が混ざった商品の流入を防ぎ、不公平な貿易の抜け道(例えば、輸入時に故意に価格を低く申告して税金を逃れる行為)をなくし、国内の産業を強くするために行われます。

フェンタニル以外にも、偽造品や危険物を隠蔽して輸送する外国企業によってこの緩和規則が悪用されてきたことを強調しています。

日本もフェンタニルの問題を抱えています。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODK201UI0Q5A820C2000000/

その多くが日本経由と見ているからです。
危険薬物の原料の輸出入に対する規制が厳しくないということで中国企業が日本を狙い、選らんだとのことです。
https://www.spf.org/jpus-insights/spf-america-monitor/spf-america-monitor-document-detail_182.html

フェンタニルというのは合成オピオイドで鎮痛剤としても利用されていますが昨今乱用があり、問題が表面化しています。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN252IW0V20C25A6000000/

この決定は、世界の物流(サプライチェーン)にも大きな影響を与えます。
そして、米国への輸出に関しては、強力なコンプライアンスチームを持たない小規模事業者にとっては、このプロセスは手に負えない可能性があると見ています。

業界の専門家は、この変更が消費者と企業の両方にコスト上昇という形で波及し、即座に混乱を引き起こすと予測しています。これまで、デ・ミニミス(取るに足らんからと言って徴収しなかった税金)規則により、数十億個もの低額貨物(多くの場合、海外のeコマース事業者からのもの)は正式な通関手続きを回避することが可能でした(主にTEMUやShein)。
今までは迅速な配送と競争力のある価格設定が実現し、小規模企業や個人輸入業者にとって大きなメリットとなっていました。

napkin.ai にて作成

しかし、今後は輸入業者がより複雑な統一関税表(HTS)コードを正確に理解し、適用される関税を支払う必要が生じます。この追加コストは、商品カテゴリーによっては、商品の輸入コストを10%から25%も増加させる可能性があり、これは特に価格に敏感な消費者市場において大きな影響を与えます。

これによって、アメリカの消費は落ちることは確かですが、国内生産者は助かるはずという見方があります。
しかし、マクロ経済レベルでは、この変更はトランプ大統領の保護主義政策と合致しており、国内生産の促進によって貿易赤字の削減を目指しているとのことです。

例えば、アパレルや電子機器といった人気のあるカテゴリーでは、最終的な小売価格の上昇が予想され、消費者はこれまでよりも高い価格で商品を購入することになるでしょう。また、これは海外からの部品や原材料に依存している国内製造業にも影響を与え、サプライチェーン全体のコスト増につながる可能性があります。

すでにメキシコで生産されたパーツを組み込んでアメリカで完成品に仕上げるトヨタ車よりも100%日本で生産したトヨタ車(関税15%)を輸入したほうが安上がりになるとそろばんを弾いています。(なんという矛盾)。

消費者もこの痛手を被ることになるでしょう。
ニューヨーク・タイムズ紙の報道によると、消費者は価格上昇だけでなく、強化された税関検査による遅延にも直面しており、混乱が広がっていることが報道されています。
これは、手頃な価格のガジェットや衣料品の衝動買いを抑制し、オンラインショッピングの習慣を変え、国内小売業者の活性化につながる可能性がありますが果たして、今の米国内企業の生産状況はそれに応えることができるでしょうか?

私は懐疑的に感じております。