前回のガレージバンドを利用してポッドキャストを作る講座はオートメーションを利用したダッキングでした。BGMは主張しちゃいけないというお話でした。
そして、最初から音声の音量が少なかったら、ナレーショントラックの音量レベルを上げて対処する方法を紹介しました。
GarageBandにはすごい機能があって、音量を6デシベル(dB)以上に上げることができるのです。
しかも上げるだけではなく、頭打ちに0dBを超えないようにしながら、全体の音量の底上げが可能なのです。
これが「コンプレッサー」という機能です。

さて、コンプレッサーの簡単な説明をいたします。
テレビのドラマを見ていて、CMになると突然音量が上がったりしますよね。
あれはウザい。
目立ちたいからやるんですよ。
実は裏話だが、ある一定の音量を超えると、これって倫理違反で総務省に同業者からさり気なくチクられるのよ(笑)
さて、そのときに自分は何をするか?
TVのボリュームを下げますよね!
これがコンプレッションです!!!
ここで、CMが終わると、音量が小さくなりますよね。
その度に、ボリュームを戻さねばならなくなります。
それがゲインです。
そしてアタックは、CMに切り替わったときに反応する速度です。
プロ向けのソフトは「リリース」というのがあって、これは下げるタイミングを設定します。
遅いと、音量が上がったままになるので、あまり遅いと籠もります。
しかし、Apple GarageBandではこの設定ができないので気にしないでください。
おわかり頂いたでしょうか?
つまり、Compressorで下げた音量(ピーク値を圧縮する)ことで、上が下がる。
しかし、全体的に低いから音量の底上げをしないといけなくなります。
デジタルでは0dBというマージンを超えると音割れがします。
これがディストーションと呼ばれます。
全体的に音量(ボリューム)が高くてオーバーの音を下げることだけならいいけど、会話が低かったり、一人の人の声があまり大きくない場合は対応しないといけないのです。

この様なマルチトラックレコーダーで一人ひとりが別チャンネルに録音されて、更に音量調整ができる機材があるならある程度救われるのですが、普通の場合、ミックスされた音(つまり全部が一つのトラック–L+Rのステレオ)に入った場合、音は分離できません。
卵を黄身と白身として考えていただきたい。

一度混ぜたら分離できませんよね。
それと一緒に、白身だけを混ぜてメレンゲを作り、黄身を混ぜて違うものを作ることができますが、かき混ぜてから分離することができません。
ましてTKGにしたあと(ステレオミックスにする)には絶対に無理でしょう。
そういうときにこのコンプレッサーを使います。
別トラックに保存されているなら、その人だけを上げたり下げたりすれば良いのですが、人間は喜怒哀楽を持っているので、突然、声が大きくなったりします。
そのときに使うのがこのコンプレッサー機能です。
おわかり頂いたでしょうか?
ぜひ今後ともコンプレッサーを使ってもうワンランク上の録音を試してみてください。
聞いている人も楽です。