ネタバレを避けるために色々と割愛しますが、昨夜、日本外国特派員協会の試写会にはじめて参加してきました。
私は映画を見るのが大の苦手です。そこに座っているのが苦痛なんです(早送りが出来ないw)
学生以来、映画館に入ったのは1度きり。
しかもうちの子が幼稚園児のときにクレヨンしんちゃんを見たいとのことで、それを見に、今は無き藤沢の映画館へ。
今回の作品は、上映委員会のKarenさんに再度つながるためでもあった。
委員長どおしでも、過去にあまり会話をしたことがなかったのと、今回はエンディング産業展で知り合った湯浅監督の日本・スペイン合作の映画「KAORU’s Funeral」の上映の打診があったからだ。
さて、今回の映画の宣伝をします(笑)

この映画は日本人監督、石井裕也氏が韓国人プロデューサーとスタッフにて、韓国にて撮影しました。
コロナ禍で苦労されたと。結局、編集は日本で行ったと。
この映画は、2組の家族が偶然に出会って、それぞれの思いをいだきながら旅をして天使に出会う。
その天使とは・・・
上映が2021年7月2日、テアトル新宿をはじめとし、全国で放映されます。
本来は韓国で先に上映予定でしたが、あちらの映画館事情、日本よりコロナ対策が厳しく未だにオープンできず日本上映が先になりました。
韓国が嫌いな人でも、人間として日本人家族、韓国人家族、しかも同じ病気で愛する家族を失ったことで絆が強くなり、微笑ましい場面もあり、見ても損はないなって。
ハリウッド映画に慣れた我々はアクションない、テンポもマッタリ、ナニこのご時世にスマホも使えないの?っていう人たち(そういう設定)の映画でイラってしますが、これがまた珍道中を生む。

左は通訳、その隣が池松壮亮氏、監督の石井裕也氏、FCCJのKarenさん
さて、この映画ですが、売れなくなった元アイドルのソル役のチェ・ヒソさんが主役の青木剛役の池松壮亮氏と出会うところから展開。
売れない小説家の青木は、8歳児の息子を連れてソウルで怪しいビジネスをする尻軽の兄役の青木透を演じる元仮面ライダーでもあったオダギリ・ジョー氏を訪ねたところからはじまる。
言葉が通じない青木がモールで歌っているソルに見とれてしまう。そのあとにフードコートで一人で食べているソルとまた偶然にも出会ってしまうが韓国語と日本語では会話が成立しない。
スマホあるならグーグル翻訳でもしろよ!
ってツッコみたくなるところにイラって。
テーマはビールと愛で兄役のオダギリ・ジョー氏の切り込みで展開すると言っても過言ではない。

昨今、日韓関係が冷え切るなか、なかなか合同で何かをすることはない。
今回、女優を演じた、チェ・ヒソさんは日本でも暮らしたことがあり、ある意味親日派でもあるそうだ。
韓国で、日本人監督が作った映画に参加し共感することはご法度とも言える。
またたく間に炎上し業界から干されてしまうらしいと監督が記者会見で言った。
チェ・ジュさん(冬ソナ)にも親日的な発言で災難は訪れたのを覚えているだろうか。
そういう意味で、日本は一部を除いておおらかだ。
そのリスクを負ってまでも、チェ・ヒソさんはこの役を受けてくれたらしい。
彼女演じるソル役が、言葉が通じなくても、ビールと愛で天使を呼び寄せる。
韓国語でビールください「メクチュ・チュセヨ」と愛している「サランヘヨ」が真理だそうだ。
ソルの兄役であるキム・ミンジェさんが映画の中でおばさんを訪ねて行ったとき「日本人の友達だ」とこの青木兄弟と剛の息子(まなぶくん)を紹介し、おばさん家族もよろこで受け入れてくれる場面がすごく印象的で好意的であった。しかも、監督いわく、これは公開されている話だから言うが、キム・ミンジェさんご自身も複雑なご家庭で育って家族のことで大変苦労されていたそうだと。そこが今回、微笑ましい場面がにじみ出てきたのかとも感じ取れた。
映画のクライマックスとしては、この高ぶった気持ちをどう落としてくれるんだよ~~~~~!って思いながら天使が現れる。この天使は・・・
嫌韓でもこの映画を見ていただきたい。
人間は一緒なんだよって考えさせられるのと、韓国の社会は異常だな思うところが撮影されている。
最後に、私が記者会見で〆の質問を監督にさせてもらえました。

そう、これはBeatlesのAbbey Roadのジャケットカバーである。
監督にオマージュですか?と聞いた。
もちろん、そうであった。
ソウルは東京よりも緯度が高い。
冬場はかなり影が伸びる。
本当は伸びた影を撮影したかったらしい。
実際のAbbey Roadのジャケットは影があまりなく順光での撮影だ。
これは逆光である。
著作権あるので引っ張ってこれないがAmazonのリンクは張っておく。
ちなみに、石井裕也監督のところに、ビールで酔っ払ったキム・ミンジェさんが未だに電話して一方的に韓国語でしゃべって切るそうだ。
ビールは3本くらいなら、絆を強くするが、10本も飲めばすべてが消えるそうだ(笑)
そして、映画の最後の場面、5人(ソルの家族と剛と息子)が一緒に食事をしている。
どうやら監督はこのエンディングの落とし所が難しくて3つ作ったらしい。
意味深であるが、これが愛なんだなって。