アメリカの葬儀費用は柩(棺)代だよ

みんなわかっているだろうけど、敢えてここで日本とアメリカの葬儀の文化の違いをお伝えします。

Connecting Directorsというサイトがあります。
実は、ここは私が日本でやろうとしている jfuneral.com と同じほぼ同じことなんですが、何歩も先に進んでいます。米国ではかなりオープンな社会で羨ましい限りです。(笑)

https://connectingdirectors.com/54915-death-stocks

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実は、米国にも数多く葬儀社がありますが、日本同様に上場企業は多くないみたいです。
基本的に家族経営の葬儀社が多いということです。

家族経営と上場企業の葬儀社の大きな違いは墓地を持っているか否かとも言えるでしょう。
エンバーミングはほぼどこの葬儀社でも出来ます。もちろん葬儀社の社員(オーナーとは限らない)が免許を取得したエンバーマーです。
そもそも葬儀社を営むには州単位での免許が必要です。
カリフォルニア州の葬儀屋さんは隣接のユタ州、オレゴン州の免許も持っている可能性が高いです。
まして、ニューイングランド地方の葬儀屋さん(マサチューセッツ州の場合)、隣接のロードアイランド州、コネチカット州、ニューヨーク州、ニューハンプシャー州、バーモント州、あとメイン州のすべての免許を持っているか、どれかの組み合わせを持っている可能性もあります。
つまりそれだけ厳しいのです。

今回は、米国での葬儀費用の多くが柩代であることをご紹介します。

日本の場合は祭壇(柩と人件費込み)の値段ですが、(人件費を別途きちんと見えるように計上している葬儀屋さんもありますのであしからず)、米国は柩!柩!柩!

Connecting Directorsの元記事はこちらです:
https://seekingalpha.com/article/4271028-death-stocks-barely-clinging-life

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  1. Basic Service Fee – $2,100
  2. Transporting remains to funeral home – $325
  3. Embalming – $725
  4. Preparing the body in other ways, such as makeup and hair styling – $250
  5. Facilities and staff to manage a viewing – $425
  6. Facilities and staff to manage a funeral ceremony – $500
  7. Hearse – $325
  8. Service Car – $150
  9. Basic memorial printed package – $160
  10. Metal casket – $2,400
  11. Vault – $1,395
  12. Total: $8,755

そう、$2400+$1395=$3795 つまり、約 $4000 ってことです。約40万円。
ちなみに10番のMetal Casketが鉄製の柩、そして11番のVaultが埋葬するときに柩を包む箱。
あと、ここで表示されていないのが教会への献金と墓掘り職人さんたちへの謝礼です。

死と納税は今の世の中では確実である。

納税がないアラブ諸国みたいにところもあるが、ほとんど納税が義務である。

BofA (Bank of America〜日本でいう日銀みたいなもの) が葬儀社へ投資はいいぞと言った途端に色々なところから反発があった。
そのBofAの役人は葬儀は亡くならないからだという主張だが、アナリストたちは猛反発した。

では何故、葬儀社に投資してはならないかと。

この上の数字の出どころはNFDA (National Funeral Directors Association) です。
ご覧の通り、葬儀の費用の約$9000の45%が柩代となる。
米国の多くでは火葬料が約$700です。差し引いてもこの場合、$3000の差があります。
可燃用の棺の価格が数百ドルとして、更に収骨容器が$100くらい。ザクッと$2500ドルの差だと思えばいいわけです。

In 2018, 53.5% of all Americans chose cremation while 40.5% chose burial (source: 2018 NFDA cremation and burial report).

今、大半の人たちが火葬を望む米国だからこそ、葬儀社の景気は悪くなるだろうと言う判断です。
そして、私が今日、別のブログ(ゆいごん.みんな)でアップした投稿は日本人もアメリカ人も最期は自宅で死にたい(畳の上で死にたい)ということです。

日本は祭壇料、米国は柩。
実際、米国の場合、最初の病院から葬儀社の安置所へ運び込む霊柩寝台車料金が高いって感じします。そして同じ金額の出棺時の霊柩車の金額がある。

葬儀社に投資するのは今後、経済が停滞か後退したときは危険だということです。
柩代金と墓地でガッチリ儲けているアメリカの葬儀社は今後、経営が厳しくなるだろうと。

実際、日本も同様だと理解して欲しい。
年間160万人が亡くなる数字が出ているが、老老介護で葬儀の単価が下がる。
葬儀社の経営も、生きている人たちの予算がないのでどっちも厳しくなる。
日本の銀行への貯蓄残高は1700兆円と言われていて、そのうち1000兆円が60歳以上が保有しているにも拘わらず、それが利用されていない(実際銀行はこのおカネで国債を国から買わされているだろうけど)、我々は全く恩恵を受けていない。

投資先は考えないとダメだね