病院で待つのは当たり前か?

以前、ここにPDCAを早く回すことは大切だと伝えた。
PDCAの前にきちんとObservationがあるかどうかもだ。

つまり、PDCA以前にOODA (Observe, Orient, Decide, Act) がPDCAのPlanのところで分解される。
そしてDoの中にはT/E−ACR (Trial/Execute, Attract, Continue, Recommend)  があり、
Checkの中にはDRCA (Desire, Recognize, Compare, Act) に分解され、
最後のActの中は、さらにACDC (Acquire, Classify, Dig, Collaborate) がある。

つまり、PDCAで重要なのは、最初のOODAと最後のACDCを意識してグルグル回すことだ。

そこで、ちょっと面白い本を読んでいるので紹介します。
「未来食堂」を聞いたことがある人は大勢いるかと思います。
ここは神田神保町にある日替わりランチ1食しか出さない元エンジニアの女性が運営するレストランである。

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やりたいことがある人は未来食堂に来てください 「始める」「続ける」「伝える」の最適解を導く方法

その本でもPDCAを早く回せと。
PDCAを早く回せと言うのは経営の基本でもあります。
そうすることに変化に対応できるからです。
状況が変われば臨機応変に対応を変えろと言うことです。
それは毎日、日替わり定食のように変えてもよいと言うことです。
まして、ミスが生じるようなところであれば、それを具体的に素早く改善することが求められます。

さて、この本の初っ端から病院の待合室の問題と課題が書かれていました。
誰しも日本の病院で辛い時間を待たされたことがあるかと思います。
これっておかしいと思わないほうがおかしい。
海外、とくにアメリカでは患者は客と言うことで、医者はサービス業であると言う概念が埋め込まれています。ER(Emergency Room–緊急治療室)でも同様ですが、この場合トリアージュと言う概念もありますが、ここでは触れません。

さて、病院でのPDCAって回っているの?
私の友人で「コップの中の医療村――院内政治と人間心理 (JMP選書)」の著者の中村哲生氏がおります。
彼も医療村の問題・課題をかなり指摘しています。

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要するに病院ではPDCAがまったく回っていないってことです。
私も数年前、怪我して病院へ行って、待合室に待っていました。
待っている間にCTの技師が帰ってしまいました。
本来ならCTだろうがMRIの技師が常駐していてもおかしくない。
それだけではなう、フォローアップの病院では、電光掲示板がなく、医師が「XXさんYY室にお入りください」と言わんばかり。それもモゾモゾの喋り方で。
銀行みたいに番号札と電光掲示板で見れば一目瞭然でもあるなか、全く使われない。
耳が不自由な人にはまったく使えない仕組みでもある。

そもそも、医事課が一人の医師が見る患者数が10分で6人と言う計算でやっているので、どんどん遅れていく。10時の予約なのに12時になっても順番が回ってこない。

これが病院の実体でPDCAサイクルどころか、最初の観察(Observation)すら出来ていない。
「未来食堂」の小林せかいさんが書かれているように、頑張っても出来ない仕組みを病院は作って、それを当たり前のよに、患者なんかどうでもよい状態で運営している。JRみたいに遅れたら特急料金払い戻せといいたくなる。病院にペナルティがないから(あったら患者がもっと粗末に扱われる)と、患者を詰め込ませすぎている(患者が多すぎる)または保険制度の崩壊と言うのが現場であるとも言えるが、できるところを改善しようとしない医事課の問題は大きい。

トリアージュの課題もあるが、待っている人たちを快適にし、少しでもストレスを和らげる必要があるのが病院ではなかろうか。

PDCAを日々回しているならこのような問題はとうの昔に解決しているはずだが、なぜだか日本の社会風習として、壊れてなければ直すなと言うのが根付いてしまった。トヨタは常に改良できるところを探してカンバン方式と5S運動で世界一の車メーカーまで登りついた(これがいいか、悪いかは別として–私は現在、お付き合いでトヨタ車を乗っている)。

そして、注意しないといけないのは、とてつもなく巨大な目標(プラン)を建てるとPDCAを回すのに苦痛になるだけではなく、三日坊主で終わったり、企画倒れすることがある。そして、そこには多くのミスも生じ修正されずのままで残る。

根性論では会社は残らないよ。

葬儀社も誰かがお亡くなりになるまで待つのではなく、よりよいワークフローマネージメントを活用することで地域社会に受け入れられるのでは。また別の機会に葬儀社の社会貢献などのお話をしたいと思う。